2019年07月02日

食品の保存と備蓄

今回も食品の保存と備蓄について、思いつくままに

今の家庭における食品の保存箇所の代表格は、冷凍冷蔵庫だろう。
パントリーを設ける住宅も増えてきてはいる。
防災用のために、ローリングストック等により1週間分の食品の備えが推奨されている。人数にもよるが、結構なボリュームになる。
だが、きちんとした食品ストックスペースを確保できている家は少ないのでないだろうか?

私も、食品の備蓄や管理が苦手である。
備蓄食品を無駄にすることなく、使い切れないことのほうが多い。
必ずと言ってよいほど、賞味期限切れ(それも、1年越えくらいは当たり前)にしてしまう。
一応、建築設計のプロで長らく主婦でもあるのだが、使いやすい位置できちんとローリングできるように食品をストックできる環境を整えられていない。何とかしなければとは思っているが、どうも、苦手である。

子供の頃、農家でもあった我が家は、米の保存のためのスペースが大きかった。
物置小屋の中に、亜鉛鉄板でできたドラム缶のような玄米の保存器が置かれていた。
1年分の米を自分の家でストックしていた。
その米を、集落の共同施設である精米小屋に持ち込み、精米していた。
(当時の保存法だと、7月、8月ごろの米は確実においしくはなくなっていた。
時として、コウクゾウムシ(穀蔵虫)がわき、米をとぐと幼虫が水の中でうごめいいてギョッとした。だが新米のおいしさは格別に感じられた)

芋穴(90cm四方、深さ60cmくらい)が軒下にあり、モミが入れられ、その中でサツマイモやジャガイモ、サトイモが保存されていた。
小屋の軒下には、玉ねぎが干されていて必要に応じて使っていた。(最後のほうは、芽が伸び始めて萎びてしまっていたりしたが・・・・)

田んぼの畔で育てられた大豆は、一部は枝豆として食べ、残りは干されて大豆になった。
(枝豆のさやの中には、虫が入っているのは当たり前で」、煮豆をつくる時、虫食いの大豆をより分けるのがお決まりの作業だった。)
ソラマメは、乾燥されて、ストーブで炒って冬のおやつになった。

夏には、庭でとれた梅で梅干しをつくり、新ショウガを酢漬けにして紅ショウガを作った。
(冷蔵庫なしで保存できるものである)

冬は、軒下に白菜が新聞紙に積まれて置かれていた。また、大きな樽で白菜漬けが作られた
大根は干されて、一部はたくあんに、ほかは干し大根になった。
時として、古漬けのたくあんや蕪のつけものが煮ものになった。
(母はこれらをこなしていたわけである、改めて、大したものだと感心する)

そして、一番の食品のストックスペースは畑だった。
(汚れや虫食い不揃いが当たり前で、口に入れられるようにするまでに、相当、手間暇がかかるが・・・・)

買い物がままならない環境、時代だったので、備蓄食品で、日々の食事は概ね賄われていた。

母が、2人目の出産に際し、私の家に手伝いに来てくれた時
狭いアパートの造りに、ちょっと閉口しながらも
必要な時、必要な分だけの食品を徒歩で買いに行ける環境を喜んでいた。大きな冷蔵庫が、家にあるみたいだと言っていた。
確かに、我が家の畑より近い位置にスーパーマーケットはあった。
(当時の我が家は、徒歩2分のところに1件、徒歩5分の所に1件、スーパーマーケットがあり、マンションの向かいに小さなお菓子屋さんがあった。これらの店は、やがて、徐々に閉店していくことになる。)

私は、そんな生活が当たり前だと思って暮らすようになった。

小さなスーパーや食料品店が淘汰され、自動車を使わなければ、買い物さえままならなくなった今、食品の備蓄と保存について、もう少し住宅側で工夫が必要だと感じる

食料のストックを、家の中だけに限らず、庭などの屋外も含めて改めて考えてみると面白いかもしれない。







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Posted by ordinary H at 19:22│Comments(0)自宅歳時
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